「しののめさんが、いいならだけど‥‥‥‥」
「おはよ、お嬢ー」にゅ、と後ろから泉君が顔を出す。
「あ、お、おはようございます‥‥‥!!」
「いずみん、お嬢なの?」
「なにが?」
「しののめさんのあだ名」
「え?あー、なんも考えてなかったわ」ごめん、と私に向かって謝ってくる。
「い、いえ‥‥‥‥‥‥」
むしろ考えてくれるだけでありがたいというか‥‥‥。
「お嬢とか言ってたら、しののめさん怒るよ?」
「や、なんかお嬢で定着しすぎたというか」
「しののめさん可哀想ー」
「でも、なんか被ったら嫌じゃん?」
「なんでそんなとここだわってんの?」
「やあ、なんか、困るかなって」
「だれが」
「本人が」
泉君が言うと、それまで会話していた3人がこっちを見る。