「おはようっ!!」

教室に着くと、私たちに気づいた麻美さんが手を振ってきた。



「おはよ」

同じように手を振り返す彼を見て、私も同じように振り返す。


3人で手を振り合っていて、なんだか変な人みたい‥‥‥。



「しののめさん、どうしたの?」


「ふぇっ‥‥‥」


「や、なんか変な顔してるから‥‥‥」


「い、いや、別に‥‥‥」



言えない。

ちょっと周りから見たの想像して、笑いそうになっただなんて。




「あ、そうだ、あのさ?」


「は、はいっ‥‥‥‥‥」
まだ話しかけられることに慣れてなくて、緊張してしまう。




「____シノちゃんて、呼んでい?」


「え?」


「奏がシノだからさ、なんか被ったら()じゃん?」


「え、なにそのこだわり」


桜庭君が笑うと、「いいじゃん別に」とほっぺたをを膨らませる。