「____ありがとう、お母さん」
制服を着て、ドライヤーをかけてリビングに降りると、「ビックリしたよ」と若草色がにじむ。
「‥‥‥え?」
「だって、彩葉がお風呂も忘れて寝てるなんて、珍しいじゃない?」
言いながら、朝ごはんを持ってきてくれる。
「自分でやるよ」
「あら、そう?」
私が受けとると、なんだかうれしそうにする。
山吹色がにじんだ。
朝ご飯を食べ終わると、「7時____」という赤紫色の声が耳に届く。
今日は朝からお風呂に入っていたから、なんだか変な感じ。
時間割と持ち物を確認して、家を出る。
「いってきまーす」
今日も変わらず、ドアの外は銀世界だ。
パサ、と傘を開く。
エメラルドグリーンが、視界
を彩る。
____いつもより少しだけ、
学校に行くのが楽しみになった。