「____彩葉(いろは)!!」



____はっ、と、目を開く。

おぼろげになっていた視界が、だんだんとクリアになってくる。




あ、そうだ‥‥‥‥。

あんまり覚えてないけど、あのあと、そのまま寝ちゃったんだっけ。



視線を下に落とすと、いつものパジャマだった。


いつの間に着替えたんだっけ‥‥‥‥?

よく覚えてない。





「んん‥‥‥‥‥‥」


____スマホを起動する。

まだ6時をちょっと回ったところだった。


6時半に目覚ましをセットしているから、まだ鳴ってない。




「彩葉!!」若草色の声が下から届く。


「‥‥‥‥なに?」



眠い目を擦りながら廊下に出ると、
「お風呂入っちゃいなさい」とお母さんの声がする。



「はぁい‥‥‥‥」



たぶん、昨日はあのまま着替えて寝ちゃったんだろう。

制服と下着とタオルを持って、脱衣所へと足を向けた。