「や、だって美術部だよ?東雲サン‥‥‥‥」


「え、そうだっけ?ごめん!!」


「部員、私だけですけど‥‥‥‥」



そう言いつつ、机の横にかけてある鞄から水彩のパレットを取り出す。

筆箱に入れてあった水筆で色を馴染ませながら、教室の絵に色を置いていく。



赤、青、黄緑、オレンジ、黄色‥‥‥‥。

ちょっと表現するのは難しいけど。



「おお✨めっちゃカラフル!!!!」

私の横で、麻美さんが瞳をきらきらさせている。





「____なんか、楽しそうっ!!!!」



楽しそう‥‥‥‥。

桜庭君にも、言われたっけ。





「音が大きいと、色が明るくなって、(まぶ)しく見えるんです」

すみません、と麻美さんに向かって頭を下げる。



「麻美さん、私が嫌そうな表情(かお)するって言ってたので‥‥‥‥」

彼女の色が(まぶ)しすぎることを伝えると、
「麻ちゃんの声がデカすぎだってさ」と泉君が横から捕捉してくれる。