「____シノ」


「‥‥‥‥はい」


「これ、ありがとう」助かったよ、と私のノートが横から返ってくる。




ふと顔を上げると、みんな休み時間モード全開だった。

スマホでゲームを始めている人もいる。

話してるのは私たちだけじゃないみたいで、ちょっとほっとする。


でもなんだかいたたまれなくて、ノートに視線を戻す。

確か、今週は小テストだったはず‥‥‥‥。



 



「東雲サン」

呼ばれて振り向くと、「助かった」と泉君が教科書を差し出してきた。



「ごめんな、こいつ、こんなんで」


「こんなんでってなに!!」と横からツッコミが入る。


「あ、いえ‥‥‥‥」




____えっと。


「よかったです、‥‥‥‥力に、なれて」



「‥‥‥‥‥麻ちゃん、東雲サンに弟子入りすれば?」


「なんで?」