「____これ、分かりやすいね」穴埋めをしながら、卯の花色を私に向けてくる。


「え、そうですか?」


「うん。なんか、よく調べてあるなぁって」


「‥‥‥‥‥‥そんなこと、ないです」


「そう?」


こっちを見てくるから、恥ずかしくて(うつむ)いてしまう。




「シノ、勉強得意でしょ」


「え‥‥‥‥」


「だって、すごい分かりやすいし」


「‥‥‥‥苦手です、すごく」


「そうなの?」


「たぶん、クラスでも真ん中くらいですよ」



この学校は進学校じゃないから、順位分けとかはあまりないけど。

去年の学期末の成績表は、真ん中くらいだった気がする。





「____しののめさんっ!!」


オレンジ色の声に視線を戻すと、
「ここ、なに入るのー?」と麻美さんが困った表情(かお)をしていた。

この前の授業で課題になっていたところをやっているみたい。