「____すみませんでした」




私が頭を下げると、
「いいよ、そんなことしなくて」と麻美さんが止めにくる。


「そもそも、あたしが悪いんだし‥‥‥‥‥ごめんね」と濃くなったオレンジ色。

「みんなで待ってたんだよ」という言葉に、ちょっとだけあったかくなる。






「あの、そういえば、授業は‥‥‥‥?」



さっきチャイムが鳴ったはずなのに、なぜかクラスは休み時間モードに入っている。

ふと黒板を見ると、大きく「自習」と書かれていた。




「あちゃー、教科書忘れたー!!」


「や、麻ちゃんはいつもでしょ」


「いずみんは持ってんの?」


「いや?」


「持ってないんじゃんっ!!」



会話をしつつ、2人が机をくっつけてくる。

「俺、筆箱とか持ってくるね」と桜庭君が席に戻っていく。




「あ、あの‥‥‥‥」



「「ん?」」


「教科書、お貸ししましょうか‥‥‥‥?」


「えっ!!!!」

いいのっ!?と表情がパァァっと明るくなる。


「ダメだよ東雲サン」その頭を泉くんが押さえつける。