逃げ込んだ図書室の隅にうずくまる。

こんなとこ、他人(ひと)に見られたら恥ずかしいけど。



今、1番恥ずかしい。私が。  

なにも受け入れられない私が、恥ずかしい。







「はぁ‥‥‥‥‥」


ステンドグラスのついた窓と、本のにおい。




もうずっと、こうしてればよかったんだ。


こうして、人目に触れないでおけばよかったんだ。


舞い上がったから、いけなかったんだ。










「____、____っ、」


静かな図書室に、私の嗚咽だけが響いている。






ばかだなぁ。


ばかだなぁ、私。


____聞かなくたって、分かってたくせに。
  




「みんな、しののめさんと話したいと思ってる」なんて。

ふと、そう言った麻美さんの顔がちらついた。



フォローだよ、あんなの。





____でも。

さみしいって。少しでも思ってしまう。


なんで。そんなこと。




なんで‥‥‥‥‥‥。











「しの____」






「‥‥‥‥‥‥!!?」

誰かいたんだ。全然気がつかなかった。



桜庭君‥‥‥‥?









「まじでいんだ。すごいな‥‥‥‥」


少しだけこもった声。本棚の向こう側にいるからだ。

姿は、よく見えない。