階段を駆け下りる彼女を「めんどくさい」と言いながら追いかける泉君。



「仲、いいんですね‥‥‥?」


「なんか、中学から一緒らしいよ?」桜庭君が教えてくれる。


そうなんだ‥‥‥。






「慣れてきた?」


「え‥‥‥‥?」


「クラスの人と一緒にいるの」


「‥‥‥‥少しは」





ちょっとだけ、2人の関係がうらやましい。

言いたいことが言えて、仲が良くて。



でも、それは「自分」をさらけ出しているからで。

素の、自分だからで‥‥‥。





「‥‥‥」


____私にはまだ、難しい。






「話せるじゃん」


「はい、少しは」


「ちょっとは近づいた?」


「え?」


「友達が欲しい、ってやつ」


「‥‥‥‥まだ、わからないです」