「しののめさん‥‥‥」


「‥‥‥‥!!」



声のした方を見ると、麻美さんが、じっと私を見ていた。

私、変な顔してた‥‥‥‥?



リスみたいな大きい瞳で見つめられてると、逸らせなくなる。

しばらく、麻美さんと見つめあってしまう。



「____どしたの?」


「えっ!?あ‥‥‥‥」



オレンジ色の笑顔に、どうしたらいいか分からなくて、「すみません」と反射的に謝ってしまう。



「なにが?」首をかしげて、私を見つめてくる。

____また、()が逸らせなくなる。


訳がわからなくなってあわあわしていると、「ふふふ」と笑われてしまった。

私、変なことしたのかな‥‥‥‥?







____朝のHR(ホームルーム)が終わって、先生が教室を出ていく。
扉が閉まると、また色とりどりの声が、教室を染める。




「____しののめさんて、面白いね」


「えっ‥‥‥‥?」


「今まであんまり話したことなかったけど、結構イケるなーって」


「‥‥‥‥?」



イケるな、とは‥‥‥‥?

隣でにこにことしている彼女を見つめながら、(はてなマーク)を浮かべる。





「あ、あの‥‥‥‥」イケるな、がよく分からないので、話題を変えることした。



「お弁当‥‥‥‥」


「お弁当?」



一瞬不思議そうな表情をして、
「あ、一緒に食べる?今日」とうれしそうにする。

少しだけ、声が黄色くなる。



私は、今朝のお弁当のことを聞きたかったんだけど。

意外な答えが返ってきて動揺してしまう。



「ぇ、‥‥‥‥えっ!?」いきなり、そんな。

しかも、お昼に誘われるなんて‥‥‥‥。



____改めて話してみると、普段はそこまで色が激しくないみたい。

これなら、眩しすぎることもなさそう。





「いつもどこで食べてるの?」


「食堂‥‥‥‥」



言ってから、あ、と思う。

麻美さんはお弁当なのに‥‥‥‥。



「一緒に、食べれないですね‥‥‥」


「いいよー、持ってくし!!あと、誰か適当に誘ってい?」


「あ‥‥‥‥、はい」  



誰が来るんだろ。

ちょっと緊張する。