「‥‥‥え、これだけ?短いね」


「あんまり、上手く浮かばなくて」


「んじゃ、それ出しに行こー」さっさと立ち上がって、いつの間に鞄まで持っている。




「あの」


「‥‥‥ん?」


「桜庭君、なにしに来たんですか?」


「え、今更?」


「出ていく気配が、なかったもので‥‥‥」


「え、そんな邪魔だった?」


「邪魔、とかではなく。またこの前みたいに、忘れ物かな‥‥‥と」





「‥‥‥」


「‥‥‥?」いきなりの沈黙が、ちょっと怖い。





「シノってさ、天然?」


「‥‥‥はい?」天然、とは‥‥‥?



「____ま、いーや」なんて言って、
ナチュラルに私の鞄も持って、教室を出て行ってしまう。

急いで、私もあとを追う。