「だってシノ、面白いし」


面白い‥‥‥?


「どこが、ですか?」


「そういうとこー」


どういうとこだ。


「‥‥‥答えに、なってませんが」


「いいんだよ、楽しいから」


「____なんですか、それ」



やっぱり変な人だな、と思いながら、日誌に取り掛かる。

前は、なに書いたっけ。


見返してみると、私の時はずっと天気のことが書いてあった。

それか、1言だけの感想。「楽しかった」とか、そんなの。

みんなのと比べると、ひどく殺風景だ。




結局迷って、1言だけになっちゃうんだよね‥‥‥。



他の人は、『今日の先生の口癖〇回!!」とか、変なイラストとか。

カラフルに彩られたそれに、少しだけいいな、と思いながら。

やっぱり今日も、1言だけ。






「____ん、終わった?」桜庭君が、日誌を覗き込んでくる。


「はい」