「友達‥‥‥なんですか、私たち」


「え、もしかして、俺だけだった?」


「友達‥‥‥‥」




「友達を作ること」は、私にとって、大縄跳びみたいなもので。



友達なんて‘‘いて当たり前‘‘。

大縄跳びは、‘‘飛べて当たり前‘‘。



1度(つまず)いた人でも、普段飛べていれば応援してくれる。



いつも飛べない人にはブーイング。

怖くて踏み出せない人にもブーイング。




私だってみんなに迷惑かけたくないし、飛んでみたいけど。どうしても、縄が遠くて。

背中を押してくれる人がいなければ、外野で見ているだけなのだ。






「だからさ、頼ってよ」


「‥‥‥友達だと、頼ってもいいんですか」


「うん____てか、そうしてもらわないと、困る」


「桜庭君は、私だけの人じゃないので、‥‥‥頼るのは、ちょっと」


「え、なにそれ。そんなこと思ってんの?」


「えっ、あっ、ちがっ‥‥‥!!
私だけに、仲良くしてくれるわけじゃない、というか」



変な誤解を招きそうで、慌てて訂正するけれど。

彼の灰色の声が、なんだか気になった。



「____あ、そういうこと?」


「‥‥‥はい」卯の花色が見えて、少し安心する。









「大丈夫だよ。俺は離れないから」








「‥‥‥え?」


「え、離れてほしい?うざい?」


「いや、そういうのではなく‥‥‥なんでかな、って」