「ちょこっとね、ちょこっと」
「は、はいっ‥‥‥‥!!」なんだか嬉しそうだ。隠してて見えないけど。
「‥‥‥‥」
「‥‥‥‥あ」
「‥‥‥‥ごめん。こんなで」
「‥‥‥‥いえ、大丈夫ですよ」本当に真っ赤なんですね、と笑う。
「‥‥‥‥‥ごめん、すぐ戻す」
____深呼吸を2回。
少しずつ、熱が冷めるように。
顔から熱が逃げていくのを想像する。
「‥‥‥‥わぁ」戻ってます!!と瞳をキラキラさせる。
「眼鏡してないのに見えるの?」
「‥‥‥‥あっ」
「‥‥‥‥ん?」
「なんか、見えにくいなぁと思ったら、眼鏡、掛けてませんでした‥‥‥‥」
さっきから距離が近い気がするのは、そういうことだったのか‥‥‥‥。
気のせいじゃなかった。
「大変!!帰りのバスが‥‥‥‥!!」急いで支度をする。
「髪、そのままでいいの?」
「はい、もう時間ないですし、面倒なので‥‥‥‥!!」
パタパタ、と2人で廊下を走る。
なんだかこういう日があっても、いいかもしれないと思った。



