「____手、震えてるので」





言われて気が付いた。

変なものを見せてしまった。






「____ぁ、‥‥‥‥ごめ、ん」


その声は震えていて。

自分のじゃ、無い気がした。






「あの、」


「‥‥‥‥触っても、いいですか」




「‥‥‥‥うん」


俺が頷くと、小さな手が触れてくる。

さらっとしていて。ふわふわしていて。



重ねてみると、俺の手なんかより、全然小さくて。

あっかくて。





「あの、」


「‥‥‥‥ん?」


「怒って、いいですか」



その瞳が少しだけ濡れているのが、夕焼けに染まって見えた。




「‥‥‥‥シノ、泣いてる?」