____そんなときだった。
従姉の明里から、連絡が来た。
仲が良くて、時々お互いの家に遊びに行っていたくらいだった。
親同士も仲が良かったし、俺にとっては唯一、赤くなるのを隠さずに話せる相手だった。
〈ゲームしよ〉
〈行くー〉
彼女の家に行くときは、たいていメッセージでこんな会話をしてからだ。
普通にゲームしたり、ご飯食べたり。
____そんなある日。
「彼氏のフリしてくんない?」
と言われてしまった。
明里は俺の3つ上だったから、そのときは確か、高校生くらいだった。
「なんで?」
「友達にいるって言っちゃってさー!!」
お願い、と言われて。1回だけ彼氏のフリをした。
その後、「彼氏イケメンって褒められちゃった!!」と興奮していたけど。
俺は本当の彼氏じゃないし、「そうだね」くらいで受け流していた。



