情報が1人歩きしたのか、知らない間に評判になって、いろんな人が告白してきた。
その頃にはもう、付き合うのはやめて、全部断っていたけど。
やっぱり、赤くなるのは変わらなかった。
それ以外のことは特に何もなかったし、からかわれていることは親も知らなかった。
俺も、恥ずかしいから言ってなかったし。
赤くなることについては「恥ずかしがり屋さん」くらいの認識だったと思う。
「‥‥‥‥あの」
「‥‥‥‥ん?」
「治ら、ないんですか?赤面症って」
「治るよ。今も、治療中だし‥‥‥‥」
俺のこれが「赤面症」だと分かったのは、症状のせいで一時期学校を休みがちになった時だった。
____ただ、俺の場合。
治る以前に次々と事が起こってしまって、上手く治療が進まなかったんだけど。
「そうだったんですね」少しほっとしたような表情をする。
「治らなかったら、どうしようかと思いました」
いつの間にか、彼女が俺の隣にいることに気が付いた。
心配性だな、と思う。



