「____シノ、癖っ毛なの?」


「元々は、ストレートだったんですが。みつあみにしていたら、癖がついてしまって」結局、そのまま。


「そうなんだ」長いんだね、と言ってくる。



確かに結んでいるときよりも、下ろしている時の方が長く見えるかもしれない。

前に、笑菜ちゃんにも言われたし。



「桜庭君、なにか用事があったんじゃ‥‥‥‥?」


「うん、あるよ」


「いいんですか、私といても」時間が無駄になってしまうんじゃ。


「え、あー‥‥‥‥」声が少し固くなる。


「シノだから」


「‥‥‥‥?」


「俺の用事」


「‥‥‥‥え、」私?


「‥‥‥‥なんか、急に、ごめん」


「い、いえ‥‥‥‥」まさか私に用事があったとは思わなかった。




な、なんだろう‥‥‥‥?


教室の扉は開いているとはいえ、放課後に2人きりだなんて。

そんなことはないと分かっていても、なんだかどきどきしてしまう。