淡色の君と、透明なセカイ




____パンッ!!


ピストルが鳴った。


いつの間にか、横に張られていたゴールテープが地面に落ちていて。




「な!?スゲーだろ!!」と、泉君が私を見下ろしてくる。




「‥‥‥‥っ」


「あれ?‥‥‥‥お嬢?」


「‥‥‥‥‥‥あっ、すみません」


「大丈夫か?」


「‥‥‥‥はい」




今、音が、聞こえなかった。

魅入ってしまった。




「ハチマキ取れそうだぞ」


「えっ‥‥‥‥!!」言われて外そうとするけど、上手く行かない。


「あーあ。やってやるから」何もすんな、と言われてしまう。


「‥‥‥‥すみません」


「団子になってんじゃんかー」


「すみません‥‥‥‥」