「お嬢相手だったら、そのうち話すかもな」
「‥‥‥‥え、なんでですか」
「‥‥‥‥‥‥なんとなく?」楽しそうな表情。
「‥‥‥‥?」
「お、そろそろだな」
桜庭君がスタートしてすぐ、笑菜ちゃんがスタートラインに立つ。
とんとん、とジャンプしているのを見ると、なんだかスポーツ選手みたい。
「‥‥‥‥あいつ、今日調子良さそう」
「分かるんですか」
「体育館の端でよくやってるの、見てるから」
そうなんだ‥‥‥‥。
泉君の真剣な瞳、初めて見た。
______バトンが渡って。
たん、と。
地面を蹴る音が聞こえた気がした。
ここからは離れているから、聞こえるはずもないんだけど。



