「‥‥‥‥ま、そう言ったら、今みたいに強引な感じになっちまったんだけど」ごめん、と謝ってくる。
「‥‥‥‥いえ」そういうことだったんだ。
「やりたいことが沢山あって、羨ましいです」
「今まで出来なかった反動が来てるんだろうな」
次、桜庭君だ。
青色のハチマキが、1番最後。
「桜庭君って、足速かったんですね」
「普通だと思う」
「そうですか?」速く見えるのは、私が遅いからかな。
「50m、7秒近かった気がするし」
「やっぱり、速いじゃないですか」
「普通だろ」っつーか、と続ける。
「完全に顔だよな、あいつは」桜庭君が走り出した瞬間、どこからともなく女子の歓声が沸き上がる。
「‥‥‥‥うわ、すんげ」嫌そうな表情をする。
「頑張るよな、サクも」
「そうですね」



