もう随分身体が冷えていることに、今更に気がつく。 もう最後のクラスの写真撮影が終わる頃だし、そろそろ戻らねーと。 「‥‥‥‥そうだね」 視界の端で見えた、少し笑った彼女の表情が。 少しだけ、晴れやかになったのを覚えている。 「いずみーん!!」 高校の入学式。 誰だか分からずに固まっていると、「麻美 笑菜です!!」と声を掛けてきた。 ______結局。 同じ高校に入学したのは、おれと彼女だけだった。