淡色の君と、透明なセカイ


「____やめてよ」髪、崩れるから。と抗議が飛んでくる。


「うるせぇ」


「あたしのことなんか、なんにも、知らないくせに‥‥‥‥」


「知らねーよ。知らねーけどさ」



所詮、ただのクラスメイト。

アニメで言えばただのモブで。

ドラマでいえば、主人公の向こうでボカされたエキストラみたいな感じなんだろう。

____自分がどういう立ち位置かなんて、とっくに分かってる。




「でもお前が毎日頑張ってんのだけは、分かる」



どれだけ猫被ってようと。それには変わりないと思った。

主人公を見てんのは、メインキャラだけじゃないだろ。





「‥‥‥‥‥‥んでよ」


「‥‥‥ぁ、んでよぉ‥‥‥‥‥‥っ!!」



あーあ。

やっと泣いたか。

苦労させやがって。



今までのが嘘のように、ぼろぼろと涙がこぼれ落ちていく。

どんだけ我慢してたんだよ、と言いたくなる。