「“要らない”とか“価値無い”とか。
そういうの、本心じゃないのかなって。なんとなく____」
なんとなく、そんな気がして。
ふと、彼女の瞳と目が合った気がした。
「‥‥‥‥ま、別にどっちでもいいけどさ」
途端に恥ずかしくなって、逸らす。
なに、偉そうに言ってるんだか。
____ただ、受験の時とか。学校での態度とか。
「求められてしまうこと」に慣れているように思えたんだよな。
あの時は。あんまり上手く、言葉には出来なかったけど。
「‥‥‥‥っ」なにかを言いたそうに開いた唇が、また閉じた。
しばらくまた、なにも話さなくなって。
傷つけたかもな、と思って。
「___ま、でもさ。よく頑張ったと思うよ、お前は。
“自分は頑張ったんだ”って、認めてもいいんじゃね?」
自分の弟妹にやるように。ぐしゃぐしゃと頭を撫でてやる。
特に意味はないけど。
そうした方がいい気がして。



