淡色の君と、透明なセカイ

ここ最近、少し元気がなさそうなのも、笑顔が減っている気がするのも気になっていた。


あいつまた、無理してないだろうな。

______なんて、今まで頭の片隅に置いていたことを思い出す。


何人目かで、体育館に向かったらしいことが分かった。




「泉、どした!?いきなり委員長とか言い出して」


「卒アルのメッセージカード、渡すの忘れてて」



変な噂が立たないように言い訳をして、体育館に向かう。

あいつの負担になることだけは、なるべく避けないといけない。





____いた。


丁度、写真撮影の車の影になっているところの、体育館通路にうずくまって。




「‥‥‥‥‥‥大丈夫か?」


「は‥‥‥‥?なに、いきなり」


「なんか、戻ってこねーから」コートの上から、彼女の席に置いてあった膝掛けを掛けてやる。


「‥‥‥‥いらない」


「死ぬぞ」



今年は寒波がものすごいとかで、連日雪続きだ。

気温もこれまでよりずっと低い。




「‥‥‥‥いいよ、死にたいから」


「‥‥‥‥‥‥は、なんだそれ」



鼻で笑ってみたはいいものの、本当だったらどうしようか、と頭を巡らせる。