淡色の君と、透明なセカイ

______気付いたことが、いくつかある。



教室の端で男女に囲まれながら話している彼女の机に、受験用の問題集が入っていることを知った。

隠しているのかもしれない。



色々と頼まれごとをされているみたいで、
休み時間に5分くらい友達に分からないところを教えたりとか、プリント回収したりとか。

今まで全然気にも留めていなかったけど、思ったよりかなり忙しい日々を送っているらしい。

ついでに強豪のバレー部で試合メンバー‥‥‥‥と。
 

____いや、色々詰め込みすぎだろ。





押し潰されやしないかと、少し気になっていたけど。でもそれも、長くは続かなかった。

そのうち、おれも受験のために高校見学したりとか色々と忙しくなって、あっという間に過ぎていった。



年が明けて。

バレンタインが過ぎて。


______確か、その頃だったか。

卒業アルバムの写真撮影があった。


丁度、私立の受験が一段落ついた頃で。

男女別で写真撮影をして、その後は自由時間になっていた。



「______なぁ、委員長見なかった?」

おれと同じくらいに終わったはずの彼女が戻っていなくて。