淡色の君と、透明なセカイ



白咲女学院は、有名な中学から大学院までエスカレーター式の、お嬢様校だ。

学費も高いと聞くし、毎年受験期になるとテレビに映る、名門。

他の学校に疎いおれですら知ってる。




「すげーな」


「すごくないよ」落ちたし、とまた口を閉じる。



ぱちん、と音がする。




「頭いいじゃん、麻美は」



いつもテストは90点台。全国模試も上位。

スピーチコンテストとか色々なところで賞をとっていて。

成績は毎年オール5。

先生が見本にするほどだ。



______ま、おれは嫌いだけど。





「よくないよ。合格圏内、ギリギリだし」


「合格圏内ならいいんじゃね?」


「‥‥‥‥‥‥よくないよ」



なんか。


「お前さ、」


「なに」