淡色の君と、透明なセカイ


______そのとき、なんとなく彼女に感じていた違和感に気が付いた。


無理をしているんだな、と。

直感的に、そう思った。




「貸せよ」


「なに、いきなり」


「勉強してーんだろ」


「______は?」


「おれがやっとくから。お前は勉強してろよ」


「‥‥‥‥っ」


「どーせ、塾の宿題終わってねーんだろ」


「‥‥‥‥」


「‥‥‥‥?」


「‥‥‥‥うん、ありがとう」


「あと200部作るからお願い」


「げ‥‥‥‥そんなにあるのか」


「ちょっとやったら手伝うし」どこからともなく分厚い参考書を取り出して、問題に取り組み始める。



しばらく、資料をまとめる紙の音と、問題集のページを(めく)る音だけが響く。