淡色の君と、透明なセカイ


「無理だよ」


「なんで」


「だって、会長だし」




パチン、パチン。


夕焼け色に染まった教室に、ホチキスの音が響く。




「会長なんだから、他に任せりゃいいじゃん」


「結局、あたしに責任回るでしょ」

 
「‥‥‥‥」


「だからもういいかなって」




パチン、パチン。




「でも、不満なら言った方が」


「だれも聞いてくれないし」


「なんで」向かい側に座る。


「だって、受けちゃったんだから」


「今からでも遅くないだろ」


「‥‥‥それに、みんなあたしがやるもんだと思ってるみたいだし」


「それはお前がなんでも引き受けるからじゃねーのかよ」


「‥‥‥‥‥」