2年にはクラスが別れて。

3年になって、また同じクラスになった。


彼女(あいつ)は相変わらずクラスの中心で。

「誰とでも仲のいい優等生」だった。



正直、気持ち悪いな、と思った。

いつも笑って、周りに合わせている感じが。

こういうのを「八方美人」と言うのかもしれない。




______放課後。

教室の扉を開けたとき、彼女が残って生徒会の仕事をしていて。
机の上には、会議で配る資料が沢山あって。




「______本当はね、あたし、勉強したいの」

忘れ物を取りにその前を通りかかったとき。ふと、声がした。



______なにを言ってるんだこいつは。


そう思ったのを、覚えている。





「じゃ、断りゃいいだろ」


______まともに話したのは、それが最初だった。