特にお互いに、あまり関わり合うことはしていなかった。
興味もなかったし、多分、彼女も同じだったと思う。
彼女はいつも笑っていて。毎日楽しそうで。
きらきらとしていて。誰からも好かれて。
成績もよくて、クラス委員長で。
欠点なんて1つもない。
______そういうやつだと思っていた。
高校の人達と、同じように。
たまに話しかけてきては、おれの名前を「女の子みたい」とからかい。
いつの間にか「いずみん」と呼ばれるようになった。
おれは特に気にしてなかったし、面倒だから、そのままにしていた。
______その頃、ふと気づいた。
彼女の違和感に。
でも、それが明確に「なんなのか」は分からず、1年が過ぎた。
関わりもそんなに深くないし、
特に関係のないおれに話しかけるのも、「うちのクラスは仲良しです」と言いたいだけのものだと思っていた。
おれもクラスメイトに深入りするほど、暇じゃなかったしな。



