淡色の君と、透明なセカイ


「平気なのか‥‥‥‥?」


「耳栓、してます‥‥‥‥」私が言うと、なるほど、という表情をする。


「‥‥‥‥いつもそれでいいんじゃねーの」


「なんか、落ち着かなくて」


「だなー」




『大玉転がしに出場する選手は、集まってください』




「うるさくねーの?」


「こういうときは、仕方ないですから」もう諦めている。


「そうかー」



しばらく、わらわらと生徒が集まっていくのを見る。




「ありがとな」


「‥‥‥‥?」


「あいつらも、なんか最近、明るくなってきたから」


「‥‥‥‥私は、なにも」"あいつら"ってことは、2人のことを言っているんだろう。




「おれじゃ、出来ねーからな」




「そうですか‥‥‥‥?」彼なりに、かなり動いているように思うけど。


「あんなに入り込んでいけるのは、お嬢しかいないんじゃねーかな‥‥‥‥って」