「麻ちゃんくらいでしょ、世話焼いてんの」


「そういうわけじゃねーけど‥‥‥‥」足元で視線を泳がせる。


「へぇ」桜庭君は、いつもより楽しそうだ。


「‥‥‥‥なんつーか、妹みたいでさ」放っとけないんだよな、と笑う。




「こいつが頑張ってるの見てると、元気出るし」


「やっぱ、こうしてんのが1番だな、って‥‥‥」萌黄色が、少しだけ濃く広がる。


____なんか、お兄ちゃんみたい。





「中学の話?」


「‥‥‥‥ん。まぁな」別に話す程のことでもねーけど、とまた足元に視線を泳がせた。



「____あの」


「‥‥‥‥ん」なに、とこっちの視線を向けてくれる。


「笑菜ちゃんも、泉君のこと、大事だと思います‥‥‥‥」


「っ‥‥‥‥なんだそれ」笑われてしまった。





「別にそんな関係じゃねーよ」





その笑顔と。

濃く、にじんだ萌黄色が。


ものすごく、悲しかった。