「すみません、勝手に保存して‥‥‥‥」


「あー、いいよ。どーせ気まぐれだし」


「これ、笑菜ちゃんが撮ったんですか?」


「うん。中学のとき、帰り道で」


そうなんだ。



「笑菜ちゃん、写真好きなんですか」


「えっ?‥‥‥‥んー、好きってゆーか。バズるかなーって、ちょっとやってるだけだよ」自分のスマホを取り出して、SNSのマイページを見せてくれる。


たくさんの文字と一緒に、写真がたくさん流れていくけれど。

どれも同じようなものばかりだ。



「ばずる‥‥‥‥とは」


「たくさんの人に見てもらって、人気になること!」


「な、なるほど‥‥‥‥」


全然知らなかった。


「すみません‥‥‥‥」


「いーよ、謝らなくても!!」やらなきゃ分かんないもんね、と言ってくれる。



____けど。

彼女の見せてくれた写真のどれも、桜の写真にはほど遠い。



「ま、全然有名にはなれないんだけどね」と笑う。