近くだと思ったよりも色が明るくて、勢いがすごくてビックリする。

色の形もはっきりしているし、しばらくは、慣れそうにない。




「今日、日直?」


「はい」


「‥‥‥1人で?」


「‥‥‥に、なりそうですね」


「‥‥‥」


「‥‥‥」


「桜庭君は、なんでここにいるんですか?」いつのまにか、ちゃっかり麻美さんの席に座っている。


「シノと話したいなぁと思って」


「だめ?」と念押ししてくる。



隅っこ族の私が、人気者の転校生と一緒にいるだなんて。

あとが怖い。



「だめでは、ないですが」


「じゃあ、いいってことだ」


「‥‥‥よくも、ないです」


「‥‥‥どっちだよ」少し笑って、返してくる。



強引な人だと思う。

でも、秘密を知ってるから、ちょっとだけ安心できる。

それも、私の学生生活と引き換えだなんて、彼は思わないだろうけど。