「‥‥‥‥私、暇なので」いつでも付き合います、と言ってくれる。
なんかちょっと、かっこいいなと思ってしまった。
「今日は、一緒に帰っていいですか?」
「‥‥‥‥うん」
初めてだ。
シノちゃんと、一緒に帰るの。
ちょっとだけ、安心する。
「んふふ‥‥‥‥‥‥」横を見ると、あたしよりも10倍は嬉しそうな表情で歩いていた。
「なに、その表情‥‥‥‥‥‥」
「えっ!?」なんか変でした!?と顔をグリグリと弄っている。
「んーん」やっぱ、面白いなぁ。
「え、えっ!?なんですか!?」ぱたぱた、と後ろから駆けてくる。かわいい。
昇降口を抜けると、薄暗い空と淡い月が照らす。
「あーあ。なんにもないなぁ、あたし」
ふと、空を見たの何年ぶりだろうな、と思う。
水平線に向かって色が変わっていくのを見ながら、きれいだなと思った。
____こんなに空って、朱かったっけ。



