「笑菜ちゃんは、ポンコツじゃないです」 それがどうかは、あたしが一番分かってる。 「____たくさん、頑張ってきたんですね」彼女の小さい手の重みが、頭に伝わってくる。 「笑菜ちゃんは、ポンコツじゃなくて‥‥‥‥」 「____ただの、頑張り屋さんです」 「なに、それ」変なの。 「ごめんなさい」 「謝んな」 「ごめんなさい」 「もー‥‥‥‥‥」撫(な)でないで。 この、変な子に心を開いてしまうなんて。 あたしももう、どこか変なのかもしれない。