「運動好きだから」って入ったバレー部は、そんなに甘くなくて。




朝練して、授業の合間に勉強して、部活の後もフラフラの頭で勉強した。

睡眠削るとかご飯食べないとか、普通だった。  


そもそも、「受かって当然」の試験に落ちたあたしなんかに、優しくしてくれなかったし。





高校受験。精一杯臨んだ。

全部、手を抜かなかった。



第1志望は、ママの母校の高等部。

第2志望は、部活のたくさんある、好きなことも勉強もできそうなとこ。



____結果、どっちも落ちて。

滑り止めで受かっていた、今の高校に決まった。




両親はあたしのポンコツさに呆れて、いつからか、年の離れた弟を教育し始めた。


「周りに舐められるから」と、あたしが中学3年になるころに高級住宅街に引っ越して。

お手伝いさんと家庭教師を雇った。






弟の成績は、あたしなんかと比べ物にならないくらいで。




________あ、あたしバカだったんだな。

って、正直思って。



勉強ずくめの6年間は、あっさりと水の泡になってどこかへ消えてしまった。