全然、知らなかった。 次の言葉が、怖い。 そんな私の気持ちをよそに、また彼女が口を開く。 「あたし、競争嫌いって言ったでしょ」 「ずっと、そうだったから」オレンジ色が、少しだけ暗くなる。 「あたし、中学受験してたの」 ____前に、泉君から聞いたことかな。 途中で水がなくなって、補充して、また隣に座る。 また、ポツポツと話し始める。