____放課後。
チョロチョロ、と藍色が浮かんで消える。
今日は早めに日誌が終わって、あとは鉢植えの水やりだけ。
________ガラッ。
誰か入ってきた。
珍しい、と思いながら、なにもなかったように次の鉢植えに水を注いでいく。
こういうとき、あまり反応しない方がいい。
ちょっとビックリしたけど。
「まだやってんの」声が聞こえた頃には、隣にいた。
「________え、笑菜ちゃん‥‥‥‥!?」思わず声が出る。
彼女がこんなところにいるなんて珍しい。
もう部活が始まって、少し経ったころだ。
「忘れ物、ですか」
「んーん。そんなんじゃなくって」落ち着いた声。なんとなく、いつもと違うなと思った。
________。
しばらく、水を注ぐ藍色の音が響いた。
「あたしさ」
オレンジ色の声が響く。
少しだけ、いつもより濃く映った。
「はい」



