色が見えるなんて言っても、信じてもらえないから。
それっぽい説明をしただけなのに、なぜか新入生達の瞳がきらきらしている。
その後ろで、「東雲さん、ナイス!!」という顔で先生が見てくる。
「デッサンか水彩画なら、今日の見学でも体験してもらおうかなと思うんだけど」
という先生の言葉に、「いいんですか!?」と嬉しそうにする。
____結局、その日はその子達3人がそれぞれ短時間で作品を描いて終わった。
それからポツポツと他の新入生も来てくれるようになって。
「こんなに人がいる部活、初めてかもしれない!!」と先生が興奮ぎみに言っていた。
先生が高校の頃も、毎年部員の人手不足だったらしい。
どこの高校も大変なんだなと思った。
____そして、見学最終日。
1番最初に来てくれた3人が、新入部員として仲間入りしてくれた。



