青色を使った、海をイメージした絵。

抽象的な絵だから、見た人の解釈に委ねる部分が多いけど。



「ピンクとか黄緑とか、いろんな色が入ってるんですね」


「東雲さんは色使いの天才だからね!!」


「先生‥‥‥‥」そんなこと言わないでください。


「なんで、青だけにしないんですか?」別の子が聞く。



あ。えっと‥‥‥‥。


「目に見える様々な色は、光の屈折でそう見えるって聞いたことがあって。
‥‥‥‥だ、だから、いろんな色が混ざってても、不思議じゃない、のかなぁ‥‥‥‥なんて」



「へぇ‥‥‥‥」なるほど、とまた絵を見始める。


そんなにじっくり見られたら、こっちが恥ずかしい‥‥‥‥。



本当は、波音が珊瑚色(さんごいろ)で、水中の音が女郎花色(おみなえしいろ)で。

砂浜を踏む音が、若芽色(わかめいろ)だから。


____他にも、メインの青色と合うように水色系の色を何色か混ぜているけど、どれも被らないように少しずつ緑っぽくしたり、紫っぽくしたりしている。

青がメインだけど沢山の色があるのは、そのせい。