「「あの、見学で‥‥‥‥」」


まさか、本当に部活目当てとは‥‥‥‥。


「お!?まじ!!見学!?」と、きらきらした瞳で、展示ボードの間から顔を覗かせた。


「やっと来たかぁ‥‥‥‥!!」嬉しそうにしながら、ゆっくり見てってね、と笑う。


「もう、全然来ないからさー」参っちゃったよ、と声が聞こえた頃には、いつの間にか私の横に。


「人、来てないんですか‥‥‥‥?」前にいた子が聞く。


「あんまりね」他の部が強くてさ、と言いながらぐるっと部室を案内する。



この1週間だけは、文化祭と同じように作品展示をしている。

私が来る前から部員が少なかったのか、入部したときも、他に3年生の先輩が1人だけだった。

先生が言うには、その前までは10人くらい部員がいたって話だけど。



「部活紹介、凄かったので見に来たんです」と1人が言う。


「そ、そうなんですか‥‥‥‥!?」相手が年下だから、どうしようか迷って、結局敬語になってしまった。


「そっか。よかったね、東雲さん!!」


「は、はい‥‥‥‥!!」嬉しい。ちゃんと見てくれてた人がいたんだ。