「嬉しそうにしてるし、嫌いではないと思うよ」
「え!?そう‥‥‥‥?」
いつも迷惑そうな顔してるじゃん?と言うと、隣で「そうだね」と笑う。
壇上に広げたキャンバスをまとめて、シノちゃんがこっちに降りてくる。
「緊張しました‥‥‥‥」
ちょっと疲れているみたいだけど。どこか自信に満ちているように感じる。
ちょっとずつ、この子も成長してるんだなと思う。
「じゃあこれ、急いで片付けてきますね‥‥‥‥!!」いそいそと走って行ってしまう。
同時に、壇上で軽音部が楽器の準備を始めた。
階段の上から漏れるステージの照明が、なんだか眩しかった。



