「ありがとうございます」


「あ、でも、お腹空いてないかな」と引っ込めようとする。


「シノちゃんのためにわざわざ!?」あたしにはないのに!!と隣で笑菜ちゃんがむくれている。


「いずみんが渡して来いって言うからさ」食べてないかと思ったし、と申し訳なさそうにする。


「‥‥‥‥いる?」


「あ、‥‥‥‥い、いただきます」


「小さいのしかなかったんだけど」ごめんね、と謝ってくる。


「いえ‥‥‥‥‥‥!!」嬉しいです、とお礼を言って受け取る。


「えー!!いーいなーぁ!!」と地団駄を踏む。


「麻ちゃんの分くらいは、いずみんが持ってるんじゃない?」


「えっ!?ほんと!?」ぱぁっ、と黄色が浮かぶ。


「後で貰いにいこ!!」


「シノ、帰ってこないからさ」心配したよ、と卯の花色がにじむ。


「部室の準備をしてまして‥‥‥‥」




2人で何枚も大きい絵を運ばなきゃいけなくて、結構な重労働だった。

去年の先輩たちはこんなことしてたんだ‥‥‥‥。