淡色の君と、透明なセカイ

「笑菜ちゃんは、何番目なんですか?」


「あたしは、運動部3番目ー」そんなことよりさ?と耳打ちしてくる。


「いずみん、部活紹介出ないなんて卑怯だよねぇ」


「そうなんですね」バスケ部は人数多いからかな。


「高見の見物ってやつ?」ずるいよー!!と抱きついてくる。



くるしい。






「‥‥‥‥あ、そういえば!!」私の手を取って、舞台の方に向かう。


「な、なんですかっ‥‥‥‥!?」


「奏ーっ!!」おーい、と手を振ると、彼が気が付いてこっちに来てくれる。


「シノちゃんを捕獲しました!!」


「捕獲って‥‥‥‥」ちょっと笑ったあと、お昼食べれた?と心配してくれる。

出番位置の確認をしてたみたいで、他にもサッカー部の人が何人かいた。




「先生に少しだけもらって、食べました」


「あ、そっか‥‥‥‥」


「‥‥‥‥?」


「あー、や、あの、食べてないかなぁ、と思ってさ」ポケットから、カロリーメイトを出してくる。


「そ、そんな‥‥‥‥!!」わざわざ買ってきてくれたのかもしれない。

今もらっても食べれないし、不安と緊張でお腹がいっぱいだ。