「____よし、これで全部だな」東雲(しののめ)さんありがとう!!と先生が隣で言う。


「は、はひ‥‥‥‥‥」



体育館の舞台裏にキャンバスを立て掛けて、一息つく。

飾れるようにイーゼルも持ってきた。



「東雲さん、ご飯食べた?」


「え、ま、まだですけど‥‥‥‥」



昼休み入って少しした頃に準備を始めたから、なにも食べていない。

幸いなことに、5時間目からは新入生歓迎会と部活動紹介で時間がつぶれるから、その間に隠れて食べることはできそうだけど。




「____わっ!?」


「あげるよそれ。余ったからさ」



咄嗟にキャッチした物体は、イチゴのジャムパンだった。

先生、こんなものをどこから‥‥‥‥?



「見学の準備するから、その間に食べなよ」


「ありがとうございます‥‥‥‥」



部活動紹介のあと、1週間が部活見学の時間になっている。

新入生、来るかは分からないけど。






そういえば私、先輩になったんだ‥‥‥‥。



なんて、今さらに思って頭がパンクしそうになる。

部室の隅でジャムパンをこっそり食べた後、少しだけ準備を手伝ってから体育館に向かう。