「好きなの?」
「まさか」ただ、ちょっと気になってるだけ。と続ける。
「お人好しだなぁー」
俺が心配するほど弱くない‥‥‥‥か。
少しだけ、どこかで自分と重なる部分があると‥‥‥‥思ってたんだけど。
「まぁ、少なくとも小学校から今までは、ほとんど1人だった訳だしな」
「うん」
それはもう、随分前に聞いた。
いずみんや麻ちゃんに話しているかどうかは分からないけど、友達関係で色々と苦労してきたって話。
他人と少し違うだけで排除されてしまう苦しみは、俺にも経験がある。
「でも今は1人じゃない訳だし、1人で抱え込むこともないんじゃねーかな」
「おれも麻ちゃんも、サクもいるし」
なんかあった時は向こうから話があんだろ。と手と同じくらいの大きさのおにぎりにかぶりつく。
____ああ、そうか。
そうだ。そうだった。
いずみんは、そういう人だった。
「____ありがとう」
「おれはなんもしてねーけど‥‥‥?」
「ううん。‥‥‥なんか、安心した」
「なんだよそれ」早く食え。と急かされて、開けっぱなしにしていた弁当のおかずを口に運ぶ。
今日のはなんか、しょっぱかった。



