淡色の君と、透明なセカイ


「こっちこっち!!」声のした方に顔を向けると、2、3人女子が集まっていた。


女の子が、いっぱいいる‥‥‥‥。



「ね、聞いてもい?」


「あ、は、はい、どうぞ‥‥‥‥」


「それ、なんで()けてんの?」ファッション?と私のヘッドフォンを指差して言う。

____やっぱり、そうなるよね。



「聴覚過敏で‥‥‥‥、耳が良すぎるんです」声を抑えてくれると助かります、と説明する。

色聴のことは言っても理解されないことが多いから、先生たちにも同じように説明している。



「そーなんだ」


「そうなんです」


「‥‥‥‥」


「‥‥‥‥?」



なんで動かないんだろう。

桜庭君目当てだったりするのかな、と一瞬考える。


彼の席はいつの間にか空いていて、そこに話しかけてきた女の子が座る。